イノベーションを触発するアート

2023.12.20 WED

戸村朝子(ソニーグループ株式会社)、齋藤帆奈(現代美術作家)、齋藤精一(パノラマティクス主宰)、そして小川秀明(CCBTクリエイティブディレクター/アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ共同代表)を迎え、アートとイノベーションの関係性をテーマに実施されたこのトークセッションでは、様々な分野の第一線で活躍されるゲストの目線を通して、アートがどのようにイノベーションに関わり、社会的な価値を作っていくのかを話し合いました。 ソーシャルイノベーションという言葉を耳にする機会が増えたように、利益追求型の企業体制から、より広い視野で誰のため、また何のためのイノベーションなのかを考える必要があります。現在のイノベーションに求められている文脈をゲストの視点から読み解き、今後のアートとイノベーションの可能性を語りました。

【 開催日時 】
12月20日(水)17:30~19:00
【 登壇者 】
戸村朝子(ソニーグループ株式会社)
齋藤帆奈(現代美術作家)
齋藤精一(パノラマティクス主宰)
小川秀明(CCBTクリエイティブディレクター/アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ共同代表)

イノベーションを触発するアート「Art as Catalyst – 創造性を触発するアーティストたち」(2023年)
©Sakura Sueyoshi / Nacása & Partners Inc.

戸村朝子

ソニーグループ株式会社 コーポレートテクノロジー戦略部門 コンテンツ技術&アライアンスグループ 統括部長

(株)資生堂宣伝部を経て、2001年よりソニー(株)。(株)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、(株)アニプレックスで、映画やアニメ作品のデジタル事業の新規開拓。その後、本社CSR部にて、国際NGO等と技術を活用した社会課題解決に取組む。16年より現在まで、先端コンテンツ開発、技術コミュニケーション、サステナビリティ技術推進等を担当。17年より文化庁メディア芸術クリエーター育成事業アドバイザー、アルスエレクトロニカ2021「Garden TOKYO」企画ディレクター、欧州委員会2022 S+T+ARTS Prize Jury。21年より東京大学大学院情報学環客員研究員。理学修士(化学)、政策・メディア研究修士(メディアアート)。

齋藤帆奈

現代美術作家

齋藤帆奈 現代美術作家 1988年生。多摩美術大学工芸学科ガラスコースを卒業後、metaPhorest (biological/biomedia art platform)に参加し、バイオアート領域での活動を開始。現在は東京大学大学院学際情報学府博士課程に在籍(筧康明研究室)。理化学ガラスの制作技法によるガラス造形や、生物、有機物、画像解析等を用いて作品を制作しつつ、研究も行っている。近年では複数種の野生の粘菌を採取、培養し、研究と制作に用いている。主なテーマは、自然/社会、人間/非人間の区分を再考すること、表現者と表現対象の不可分性。

齋藤精一

パノラマティクス主宰

1975年、神奈川県生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からニューヨークで活動を開始。 2006年株式会社ライゾマティクス(現:株式会社アブストラクトエンジン)を設立。 社内アーキテクチャー部門『パノラマティクス』を率い、現在では行政や企業などの企画、実装アドバイザーも数多く行う。 2023年グッドデザイン賞審査委員長。2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター。

小川秀明

CCBTクリエイティブディレクター/アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ共同代表

2007年からオーストリア・リンツ市を拠点に活動。アートとテクノロジーの世界的文化機関として知られるアルスエレクトロニカにて、アーティスト、キュレーター、リサーチャーとして活躍。現在は、同機関の研究開発部門であるアルスエレクトロニカ・フューチャーラボの共同代表を務めている。アートを触媒に、未来をプロトタイプするイノベーションプロジェクトや、市民参加型コミュニティーの創造、次世代の文化・教育プログラムの実践など、領域横断型の国際プロジェクトを数多く手掛けている。